Google Analyticsのデータの保持期間に関する設定

いろいろなところで取りあげられ始めていますが,GoogleがGoogle Analyticsのデータに関する新たな規則などを発表しました.

<この記事は「デジマのあれこれ」にて2018年5月頃公開された記事を一部改良して移植したものです>

このことに関して,(設定にもよりますが)Googleから題名が「[ご対応ください] Google アナリティクス データの保持と一般データ保護規則に関する重要なお知らせ」というメールも送られてきています.これは,2018年5月25日からヨーロッパで施行される「GDPR」(General Data Protection Regulation、一般データ保護規則)に伴っての対応のようです.

GDPRは

EU一般データ保護規則(GDPR)の概要(前編)

http://www.intellilink.co.jp/article/column/security-gdpr01.html

2018年5月から施行の新規則「GDPR」、EUだけでなく国内企業にも影響大

https://www.is702.jp/news/2234/

などが参考になるかと思います.

このGDPRに対応するためにGoogleは,「個々のユーザー(サイトの訪問者など)に関連付けられたすべてのデータを、Google アナリティクスやアナリティクス 360 のプロパティから削除できます。この新ツールは、アナリティクスの Client-ID(Google アナリティクスの標準的なファーストパーティ Cookie)や、User ID(有効な場合)、App Instance ID(Firebase 向け Google アナリティクスをご利用の場合)に送られる一般的な識別子に基づいて自動的に機能します。」ということを発表もしています.つまりこれまでは出来なかった記録されたデータを個々に消すことも出来るようになるということです.

さて,今回特に注意したいのは,Google Analyticsのデータの保持期間が管理画面で設定できるようになったということです.デフォルトだとデータ保持期間が「26ヶ月」になっていて,このままだとそれより昔のデータは削除されてしまうようになるということです(なお,Google Analyticsで新しくプロパティーを作るとデータ保持期間はデフォルトの「26ヶ月」が適応されます).そして,このデータ保持期間の変更は2018年5月25日以降から適応されるそうです.つまり,2018年5月25日までに設定を変更しておかないと,2018年5月25日の時点でGoogle Analyticsを26ヶ月以上使っている場合は,2016年3月以前のデータが消えてしまうことになると思います.

設定変更は,該当するプロパティの設定で行います.まず,Google Analyticsの管理画面に移動します(図1参照.いつのまにかちょっと変わっていますね).このデータ保持に関する警告が,画面上にも表示されているのが確認出来ます.

 

図1

 

変更したいプロパティ(変更したい計測対象のサイトで使われているプロパティ)を選び,プロパティの欄の「トラッキング情報(図1赤枠内)」をクリックします.すると,図2のようにさらなる項目が表示されるのでその中の「データ保持(図2の赤枠内)」をクリックします.

 

図2

 

すると図3のように「ユーザーデータとイベントデータの保持」の設定画面が開かれます.ここで「ユーザーデータとイベントデータの保持」の項目(図3の赤枠内)が,「26ヶ月」となっているのがわかります.ここを変更します.

 

図3

 

「26ヶ月」をクリックすると図4のように,いくつかの期間がえらべます.昔のデータをすべて保持しておくには「自動的に期限切れにならない(図4の赤枠内)」を選択し,下にある「保存」をクリックします

 

図4

 

設定の変更が保存されると図5のように「完了しました」とでます.念のために,他の項目に移動してデータ保持に戻り「自動的に期限切れにならない」となっているかを確認してもいいかもしれません.

 

図5

 

さて,もう一つ「新しいアクティビティをリセット」という項目があり「オン」となっています.「?」にカーソルをあてると図6のような説明が表示されます.

 

図6

 

これは通常はそのままで良いと思います.つまり,「オフ」の場合はユーザーに付随したそのユーザーの初回イベント送信(通常は初回訪問)の日時が保持期間のスタート日時となることだと思います.つまり,その初回イベント送信から設定した保持期間を超えた日時にアクセスしたユーザーは,新規ユーザーとして認識されるということです(例えクッキーの有効期限が有効でもこちらの設定が優先されて,新規ユーザーになってしまうと推測されます).「オン」にしていれば,ユーザーに付随したそのユーザーの最終イベント送信の日時が保持期間のスタート日時として扱われることになるのだと思います.したがって,データ保持期間を「自動的に期限切れにしない」としていれば,「オン」でも「オフ」でも変わりないと思います.

なお,データ保持に関するGoogleの公式ヘルプは

データ保持

https://support.google.com/analytics/answer/7667196

となっています.